5.3 数式オブジェクトの入力と編集
5.3.5 下付き文字と上付き文字の入力
下付き文字や上付き文字の入力にはメニューコマンドやツールバーボタンを利用します.最初に 範囲を指定して,テンプレートを当てはめることもできます. プログラムは自動的に下付き文字や 上付き文字に小さいサイズのフォントを利用します.複数行の下付き文字や上付き文字の入力方法 は本章の後半,オペレータと範囲値の項目で解説します.
◮下付き文字を入力する
• 数式テンプレートツールバーで下付き文字ボタン をクリックします. または
• 挿入メニューから下付き文字を選択します. または
• ctrl+lとします.
◮上付き文字を入力する
• 数式テンプレートツールバーで上付き文字ボタン をクリックします. または
• 挿入メニューから上付き文字を選択します. または
• ctrl+hとします.
上付きおよび下付き文字のキーボードショートカットによる入力方法は付録B “キーボードショー トカット”を参照してください.
既存の下付き文字の右側,入力ボックスの外にカーソルがある状態で,追加の下付き文字コマン ドを実行してもプログラムは動作しません. その代り,カーソルを上付き文字の位置に移動します. 同様に,既存の上付き文字の右側,入力ボックスの外にカーソルがある状態で,追加の上付き文字 コマンドを実行してもプログラムは動作しません. カーソルを既存の上付き文字の位置に移動する だけです. 逆に,既存の下付き文字や上付き文字の位置にカーソルがあれば,プログラムは新たな オブジェクトを作成します.
◮選択範囲に下付き文字や上付き文字のテンプレートを適用する 1. 下付き文字または上付き文字を付ける数式を選択します. 2. 下付き文字または上付き文字のテンプレートを選択します.
プログラムは選択範囲をテンプレートに挿入します.
◮下付き文字と上付き文字の付いた数式を作成する 1. 数式を入力します.
2. 下付き文字を入力します.
3. tabキーを押します.ダイアログボックス内に数式を入力する場合は,矢印キーを押します. 4. 上付き文字を入力します.
102 第5章 数式の入力
または
1. 数式を入力します. 2. 下付き文字を入力します.
3. カーソルを下付き文字の入力ボックスの外,右隣りに移動します. 4. 上付き文字を入力します.
1. 上記のいずれの方法とも,上付き文字から入力してもかまいません.
5.3.6 演算子と範囲値の入力
次に示す演算子はオペレータのダイアログボックスから選択できます. Z ZZ ZZZ Z ZZZ Z
· · ·
Z I X Y \
^ M K G a [ _ O ]
この内, 2つの演算子P と
R,は数式テンプレートツールバーからも利用できます. また,P ,R Q ,
,L ,N
などの演算子にはキーボードショートカットが用意されています. 詳細は付録B “キー ボードショートカット”を参照してください.
演算子の入力
◮演算子を入力する
1. 数式オブジェクトツールバーでオペレータボタン をクリックします. または
挿入メニューからオペレータを選択します.
2. オペレータダイアログボックスで目的の演算子を選択します.
3. OKボタンをクリックします.
範囲値の入力
下付き文字や上付き文字のコマンドを使って範囲値の入力ボックスを追加します. 演算子がイン ラインにある場合,範囲値は小さなフォントを使って
Pn
i=1aiのように演算子の右肩に表示されま す.逆にディスプレイでは,範囲値は大きなフォントで演算子の上下に表示されます.
Xn i=1
ai
ただし,積分記号は例外です.デフォルトで範囲値は右肩に表示されます.
ただし,表示位置のデフォルト設定を変更したり,その都度,プロパティを変更して表示位置を 変えることができます. 基本的には位置とサイズを自動設定するデフォルトの状態で操作を行なっ
てください.
◮演算子の範囲値を入力する 1. 演算子を入力します.
2. 下付き文字のテンプレートを選択します. 3. 下限値を入力します.
4. tabキーを押します. ダイアロイグボックス内で演算子を入力する場合は,矢印キーを使っ て演算子の右側に移動して,下付き文字を入力します.
5. 上限値を入力します.
もちろん,上限値から先に入力してもかまいません. 複数行の範囲値
演算子に複数行の範囲値を付けることができます. X
0≤i≤m 0<j<n
P(i, j)
複数行の範囲値は,列ベクトルと同じ方法で編集します. 詳細は本章の後半,行列とベクトルの入 力と編集を参照してください.
◮複数行の範囲値を入力する 1. 演算子を入力します.
2. 下付き文字または上付き文字を入力します. 3. 1行目の範囲値を入力します.
4. カーソルを範囲値の最後に移動してenterキーを押します. 5. 2行目の範囲値を入力します.
6. スペースバー,または,矢印キーを使って範囲値の入力範囲から離れます.
5.3.7 カッコの入力
プログラムには2通りのカッコの入力方法があります. 一つはキーボードのカッコのキーを使 う方法で,もう一つは挿入メニューや数式テンプレートツールバーからペアカッコを入力する方法 です. キーボードショートカットを利用してカッコを入力する方法は付録B “キーボードショート カット”を参照してください. 既存の数式をカッコで囲む場合は,数式を選択した後でペアカッコ を付けます.
104 第5章 数式の入力
キーボード入力による標準的なカッコの場合,カッコ内の内容に関係なく,そのサイズは変化し ません. コマンドやボタンを使って入力するペアカッコは数式の内容によって伸縮します. また, ペアカッコは左右で異なるスタイルのカッコを利用できます. ペアカッコの種類を次に示します.
( ) [ ]{ } 〈 〉 ⌊ ⌋ ⌈ ⌉ | ∥/\ ↕ ⇕ ↑ ⇑ ↓ ⇓
条件式のように片側だけにカッコを付ける場合はペアカッコを利用します. そして,カッコを表 示しない側では空カッコを使います. 空カッコは印刷されません. 空カッコはペアカッコのダイア ログボックスでは縦の点線で表示されます. また,表示メニューのヘルパーラインをチェックする と,操作画面上でも点線で表示されます. 次に例を示します.
◮ペアカッコを入力する
1. 数式オブジェクトツールバーのペアカッコボタン をクリック,または,挿入メニュー からペアカッコを選択します.
プログラムはペアカッコダイアログボックスを表示します. 2. 左右のカッコを選択し, OKボタンをクリックします.
◮既存の数式をペアカッコで囲む
• 数式を選択し,ペアカッコを選択します.
◮カッコの形を変更する
1. 数式ごとカッコを選択します. または
右カッコの右側にカーソルを配置します.
2. ペアカッコのプロパティダイアログボックスを開きます. 3. 目的のカッコを選択し, OKボタンをクリックします.
◮数式からペアカッコを削除する
• 左右一方のカッコの左側にカーソルを配置し,delete キーを押します. または
• 左右一方のカッコの右側にカーソルを配置し,backspaceキーを押します